僕のオートバイ    

 信栄商事の紺野です。

 前回は僕の愛車カワサキ650RSW3を知った経緯をお話ししました。しかしそのW3に乗るには大型2輪免許が必要です。今は自動車教習所でその免許は取得できますが、当時は試験場に行って実技試験に合格しなければならなかったのです。そこで今回は私の大型2輪免許取得奮闘記をご案内したいと思います。

 大学4年の後半に親に何とか2輪の免許の取得の許可をとった私はすぐに教習所に通い始めました。今まで50㏄のバイクにしか乗ったことがなかった私は、毎回400㏄の教習車に乗れるということでワクワク、ワクワク、教習所に行くのがとっても楽しみでした。そんなこともあり、すんなり中型免許を取得する事ができました。教官からは紺野さんはセンスがいいから良かったら大型2輪免許に挑戦してみればと勧められました。勿論W3に乗るためにそのつもりでしたので直ぐに試験場に行きました。

 試験は確かまず倒れたナナハンを起こし、センタースタンドを掛ける。そしてセンタースタンドを外しナナハンを8の字に押して歩くということから始まり、それが出来るといよいよコースを走って試験という流れだったと思います。順調に中型免許を取得した私はここから大型免許の厳しい洗礼を受けまくるのです。まず第1回目、バイクに跨りミラーを調整、後方確認し、さあー出発だーと思いアクセルを開けた瞬間、バイクが先に行くような、自分の体が置いて行かれるような状態になり(むち打ちになるかと思いました)即試験中止。5メートルぐらい走ったでしょうか、初回はそんなんで無残にも散ったのでした。それから試験ではクランクで転倒、一本橋で脱輪、ニーグリップが不十分等で不合格の連続。そんな時、友人H君と試験前の控室で待っていると、荒口町に大型2輪の練習場がある話が耳に入ってきました。私はすぐH君に話そうとH君を見ると、H君もその話を聞いていたらしく、「これだ、これだ、みんな練習場に行ってから試験を受けていたんだ」とお互いの目は熱く語っていました。

 それから練習場に通い14回目の試験、いよいよその時が来るのです。結局学生時代に大型免許は取得出来ず、社会人になって最初の夏休みでした。H君も応援に来てくれていました。その日私はとてもいい意味でハイテンションでした。H君が今日は8月8日で八は末広がりで縁起がいい、それが2つもあるのだから今日で合格だと言われその気になっていたのかもしれません。十分練習してきたという気持ちもありました。何番乗車と試験官からアナウンスされいよいよ試験スタート。クランク、S字、一本橋、急制動等、自分で言うのも何ですが、この日は完璧でした。コーナーでは試験車を傾けてバンパーを道路に擦るぐらいバイクを傾けることができていて信じられない走りでした。

 試験結果を知らせる待合場でH君と待っていると、いよいよ発表。電光掲示板に合格者の番号が光りました。そしてあったのです、自分の番号が。その日は30人程受験し3人合格しました。するとそこにいた人達が合格者を一人ずつ「おめでとう」と胴上げをしてくれたのです。今まで胴上げをしてきた方ですが、今回は自分の番。プロ野球の優勝の時のような胴上げ、体が初めて宙に舞いました。最高でした。

 あー、いけない、大分長くお話ししてしまいました。ということで今回はこのへんで、続きはまた次回、ありがとうございました。